FX教材の「5レベル戦略」を機械化し、PT101 〜 PT105 として全部試した。結論から言うと、PT101(10MA反発 + トレーリング75%)のみを採用し、PT102-105 は単独運用には組み込まないことに決めた。13ヶ月のバックテストを5フェーズに分けて段階的に煮詰めた検証ログをまとめておく。

この記事のポイント

  • 教材5レベルを PT101 〜 PT105 として機械実装、5戦略を6通貨13ヶ月で BT
  • 初期版(10MA逆ブレイクで決済)は5戦略合計 -1,423 pips で全滅
  • SL=直近30バー安値 + トレーリング75% に設計変更で +271,384 pips(PF 12.16)に大化け
  • PT101 単独で 13ヶ月 +108,543 pips、3期間 × 6通貨 18マスすべてプラス → 採用
  • PT102-105 は機能類似 / 件数少 / XAU依存度高で不採用、当面 PT101 単独でデモ並走

検証対象:教材5レベルの機械化

FX指南書(ASIN )の戦略フレームワーク「1H方向 → M5 5レベル → 根拠消滅 SL → 3利確」を、5戦略として機械実装した。

戦略レベル名エントリー
PT10110MA反発M5 で 10MA タッチ後の反発
PT10210MAブレイク&復帰10MA を一度割って復帰
PT103高安値ブレイク直近高安値のブレイクアウト
PT104一目雲抜け一目均衡表の雲抜け
PT105ペナント三角持ち合いブレイク

共通条件:1H で方向確認、M5 で執行。対象通貨は EURUSD / GBPUSD / AUDUSD / NZDUSD / XAUUSD / GBPJPY の6通貨。期間 2025-04 〜 2026-04 の13ヶ月。

Phase 1:初期版(10MA逆ブレイクで決済)— 全滅

最初は教材通りに「逆方向の 10MA ブレイクで決済」する素朴な実装で BT を回した。

戦略TradesWin%PipsPF
PT10124,50640.3%+6,6181.06
PT10217,77235.4%+1,2761.01
PT1039,75146.9%-10,1920.70
PT1047,80743.6%-741.00
PT1051,32047.8%+9491.19
合計61,156-1,4230.99

合計マイナス、Win率 35-47% が低すぎる。10MA の逆ブレイクは振幅が小さく早期損切りを頻発させており、せっかくの勝ちトレードを途中で打ち切っていた。Exit ロジックの見直しが必須と判断。

Phase 2:SL=直近30バー安値 + MFE理論利確で再BT

SL を「直近30バーの安値/高値 ± margin」に変更し、利確は MFE(Maximum Favorable Excursion)の理論上限で計算した。

戦略Trades実損益PFMFE 理論上限
PT1012,499+87,1101.98+241,366
PT1022,567+76,1941.85+234,198
PT1031,979+77,3131.98+204,283
PT1042,398+58,9541.84+193,453
PT105998+23,6691.77+86,405
合計10,441+323,2401.90+959,705

MFE Win率は 99% に達した。方向性は正しい=エントリーロジックは機能している。問題は Exit 側であり、いかに勝ちを伸ばすかの設計勝負だと判明。

Phase 3:4つの TP 戦略を比較

TP 戦略TradesWin%PipsPF
A: ATR×3 固定22,96560.4%-4,6900.99
B: トレーリング(MFE 50% 保護)64,55298.7%+172,8598.11
C: ボリバン±2σ タッチ46,31367.2%+58,3371.18
D: M5 Swing TP37,43386.2%+16,3651.06

B(トレーリング)が圧勝。MFE のピークから一定割合戻したらクローズという設計が、勝ちは伸ばし負けは限定する性質を持つことが確認できた。

Phase 4:トレーリング戻し率スイープ

トレーリングの「ピークから何% 戻したらクローズするか」を 25% 〜 90% でスイープ。

戻し率PipsPF平均/件
25%+74,3324.06+1.2
33%+105,8535.35+1.6
50%+172,8708.11+2.7
67%+239,87410.87+3.7
75%+271,38412.16+4.2
90%+330,52114.59+5.1
90% が最大利益だが過剰最適化リスクが高い(戻しの直前まで握り続ける = ノイズに対して脆弱)。平均/件が 4 pips を超える 75% をスプレッド超え水準として現実的な落とし所と判断。

Phase 5:PT101 単独 + 75% で過剰最適化チェック

13ヶ月を3分割し、PT101 単独でトレーリング75%を回した結果。

期間件数PipsDD
Period1(4-8月)8,943+29,303103
Period2(8-12月)8,476+28,954169
Period3(12-4月)9,169+50,363357
FULL(13ヶ月)26,599+108,543357

通貨別では XAUUSD が +73,505 pips(68%)、GBPJPY +13,051、GBPUSD +7,443、EURUSD +6,107、AUDUSD +4,600、NZDUSD +3,836。3期間 × 6通貨 = 18マスがすべてプラス。期間バイアスを疑う材料は見つからず、過剰最適化リスクは低いと判定。

採用判断

戦略単独成績判定
PT101(10MA反発)+108,543 pips / 期間安定 / 全通貨プラス採用 5/4 デモ並走
PT102(10MAブレイク&復帰)+93,670 pips / PF 13.44不採用 PT101 と機能類似、重複避け
PT103(高安値ブレイク)+59,039 pips / PF 15.69不採用 ブレイクアウト型の単独信頼性低
PT104(一目雲抜け)+39,388 pips / PF 11.30不採用 件数少、XAU 依存度高
PT105(ペナント)+6,391 pips / PF 14.32不採用 件数極小、波動収束検出が裁量寄り

PT102-105 は単独成績だけ見れば PF 11-15 で美しい数字が並ぶが、PT101 と機能が重なる(特に PT102)か、件数の少なさで現実的な運用に耐えない。1ヶ月の実取引データ採取後に、PT102-105 を補助的に追加するか再検討する。

5/4 デモ並走スタート

  • PT101 単独でデモ口座並走(MAGIC=70001/70002)
  • 既存の PT001-006(live)は変更せず、PT101 のみデモで動かす
  • 1ヶ月の実取引データを採取後、BT 数字との乖離率で本番投入の可否を判断
  • PT006 と PT101 はどちらも M5 ベースのため、シグナル重複の頻度を要監視
本記事の数値はバックテストのシミュレーション結果である。スプレッド負けリスクあり(平均 4 pips/件)、特に XAU 以外の通貨で要観察。実取引データを蓄積して、シミュレーションと現実のズレを定量化していく。

足さない方向で煮詰めて辿り着いた答えが PT101 単独だった。来週末の週次レビューで初週の実取引数字を公開予定。